ほめ方、叱り方 ~リフレーミング~ Part1

スタッフコラム

 みなさん、こんにちは!モンテッソーリ教師の大橋宏美です。
元気いっぱいの子ども達をかわいいと思ったり、時には何を考えているのかわからずイライラしたり、どうしたらいいんだろうと悩んだりすることたくさんありますよね。

近頃では「ほめて伸ばす」ということが、子育てや会社の新人教育でも多く取り入れられています。ほめて育てたら自己肯定感が高まるから良い事だと思っていませんか?たしかに、誰でもほめられると嬉しいです。しかしほめ方を間違えるとネガティブな結果につながることがあるのです。普段どうやって子どもをほめたり、叱ったりしているのか意識したことはありますか?

今回は島村華子先生の著書「自分でできる子に育つほめ方・叱り方」の中からお話させて頂きます。
たとえば子どもが嬉しそうにお花の絵を描いて親に見せに来ました。あなたならどう答えますか?

  1. 「すごい、すごい、上手だね。」
  2. 「才能あるね。絵の天才だね。」
  3. 「お花の絵が描けたのね。よく見てがんばって描いていたものね。○○ちゃんが嬉しそうで、ママも嬉しいよ。」

この違いがわかりますか?

1.はとにかくおおげさにほめています。
これを繰り返すと、子どもは絵を描いたことより、親にほめられたことに快感を覚えてしまいます。ほめてほしいから絵を描くようになるので、親にほめられなくなると、本来好きだったはずのお絵描きをやめてしまいます。
また、本人が頑張らずに適当に描いた殴り書きだったとしても「すごい、すごい」と、とりあえず大袈裟にほめていたとします。すると子どもはこの程度でいいのかと上を目指さなくなり、絵を描くことに努力しなくなるのです。

2.のように能力・性格・外見など表面上の特徴を中心にほめています。
すると本人はプレッシャーを感じます。周囲の評価を気にするようになり、失敗することを恐れてチャレンジすることを躊躇するようになります。「これぐらい僕には簡単だからやらない」など言い訳が多くなるのです。
また私が聞いた幼児教育の先生の話ですが、小さい頃から頭がよく周りから「こんな問題もできるの。偉いね」とほめられて育った男の子が、小学校の高学年くらいから親や友達を馬鹿にするようになりました。その子は「こんな問題が解ける僕はえらい。解けないのはえらくない」と思ってしまったのです。この場合はご両親やまわりが勉強できる事だけほめて、他の事は一切怒らなかった事にも問題がありますが、ほめ方により勘違いしてしまった例だと思います。

3.は成果よりもプロセス(努力、姿勢、やり方)をほめています。
その時に、できればより具体的にほめます。でも子どもが努力しているのをあきらかに見ていない時、または子どもから頑張った様子を聞いていない時に、さも見たような感想を述べるのは子どもに対して誠実さに欠けます。この時には、子どもとその絵をみた具体的な感想を共有したり、子ども自身に質問するようにしましょう。
たとえば「この色きれいに塗れているね」「どうしてこの色にしようと思ったの?」など、その話の中で子どもがここを頑張ったという事がわかったら、「そう、ママもうれしいよ」と気持ちを共有すると、子どもは満足してまたがんばろうと思えるのです。

ここまでの話を聞いてむずかしいと思った方は、言葉にこだわらなくても、子どもと喜びや興奮をわかちあってください。正しいほめ方をしなくてはと考えすぎるより、子どもを抱きしめたり、笑顔を返したり、時にはうなずくだけでもいいのです。子どもは何かを達成したときに、大好きな両親や先生とそれを共有したいのです。

そして子どもを叱ることは、社会適応に必要な知識やスキルを教えたり、子どもの身の安全を守るために必要なことですが、罰を与えて子どもをコントロールするために行うことではありません。子育てにおいて叱ることは、ほめる事より難しいことです。

それではどのような叱り方をするのがよいのでしょうか?

続きは次回のブログにリフレーミングの声かけとともに紹介したいと思います。
悩んだときは、子どもと一緒に笑いましょう。ママの笑顔が子どもの心と体を大きく成長させるのですから・・・・




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