モンテッソーリ教育とは

マリア・モンテッソーリ博士

モンテッソーリ教育とは100年以上前にイタリアで初の女性医師であったマリア・モンテッソーリ博士が子供を観察する事で発見し考案した科学的な教育法で、自ら良く生きようとする生命を援助する教育です。

モンテッソーリ教育

子どもは何もできない存在なのでしょうか?
歩くことや、話すことをだれに教えられたわけでもなくできるようになるのは、生きていくのに必要な能力を本能的に理解して大人をみながら自分で吸収していくからです。

その力を「自己教育力」と言い、モンテッソーリ教育では子どもがその力を存分に発揮できる環境を整え、大人がサポートすることで「生きていく力」を育てていきます。

乳幼児期は人格の土台をつくるもっとも大切な時期です。

子どもを正しく理解し、その子の個性や力を伸ばしてあげることが、大人が子どもにできるもっとも価値があることではないでしょうか?

モンテッソーリ教育では、0歳~6歳までが持つ特別な「敏感期」を理解し、その子にあったお仕事を提示します。

敏感期とは「ある能力を得るために、一つのことに特別に敏感になる時期」をいいます。

子どもって、飽きもせず何回も何回も同じこと繰り返しますよね。
これがまさしく敏感期の行動で、その動きを獲得するために集中して行っているのです。

この集中現象は子どもの正しい育ち(正常化)にとても必要な行動なので、満足いくまで
やらせてください。この繰り返しが自信や集中力につながり、自己肯定感があがるのです。

敏感期には「運動の敏感期」「秩序の敏感期」「感覚の敏感期」「言語の敏感期」「数の敏感期」「文化の敏感期」などがあります。

お子さんの敏感期を逃さず、自分で選んで繰り返しできる環境をブレスキッズモンテッソーリは提供し、保護者の方とお子様の成長を見守っていきたいと思います。

モンテッソーリ教育の内容

モンテッソーリ教育では、0歳から6歳までの乳幼児期を発達段階の特徴から0歳から3歳までの前期と、3歳から6歳までの後期に分けて考えています。そしてそれぞれの発達段階にあらわれる敏感期を背景に教育環境が用意されています。敏感期は、自己教育力の具体的なあらわれといえます。敏感期とは、自分の成長に必要な事柄に対して敏感になり、環境の中から子ども自身が選び出して熱心に取り組みながらその対象を難なく獲得する時期をいいます。

0歳から3歳まで

0歳から3歳までの前期は「吸収する精神(無意識)」の時期と呼び、人生の中でもっとも吸収力が強く、その後何年かけても達成できないようなことをいとも簡単に獲得し、人間社会に「適応」していく時期です。

子どもの自己教育力を発揮させる環境として主に以下の7つの教育環境が用意されています。

粗大運動の活動

運動の獲得は、子どもの成長の方向である自立への一歩です。ここでいう「運動」とは、跳び箱や鉄棒などの体育的なものをさすのではなく、歩く、階段の昇り降り等の全身を用いた大きな動きをさします。ずり這いから歩行までの運動の獲得を援助します。

微細運動の活動

ここでは主に、手、指を使った運動をさします。握る、落とす、たたくなどの動きを通して微細運動の獲得を促します。

日常生活の練習

粗大運動と微細運動が複合的に合わさった活動です。共同体の一員として日常の活動に参加させることにより、環境への適応を促していきます。着衣枠、観葉植物の世話などの活動が含まれます。

言語教育

ことばの獲得は、人間のDNAに組み込まれている本能です。子どもは「話しことばの敏感期」にしたがって、自分の周囲で話されている母語を獲得します。しかし、ことばの量や質は環境に左右されます。モンテッソーリ教育の『言語教育』では、子どものことばの発達段階に合わせてきめ細かなステップを用意し、豊かな語彙を養います。

感覚教育

子どもには、無意識に環境をまるごと吸収する精神が存在します。吸収する精神によってため込んださまざまな感覚的な印象は、感覚教具に触れることによって整理されていきます。「感覚の敏感期」を考慮し、発達段階や興味に応じた感覚教具に触れることにより、感覚の洗練を促します。また、感覚教具の操作方法は、子どもの知性の覚醒を促します。 

音楽

世界中のどの文化にも音楽があり、子どもは音を聴くと、自然に体を動かしたり、楽器を鳴らしたりして、表現することを楽しみます。音楽を聴くこと、楽器を鳴らすこと、歌うこと、踊ることなどを促す環境を用意します。 

美術

クレヨンや絵筆を握って絵を描いたり、粘土をこねたりします。目と手の協応動作の獲得を促すだけでなく、思いのまま自由に表現することを楽しむ活動です。

3歳から6歳まで

3歳から6歳までの後期は、「意識の芽生え」の時期と呼び、前期に無意識に吸収したさまざまな事柄を、意識的に整理、秩序化していく時期です。

子どもの自己教育力を発揮させる環境として主に5つの教育分野が用意されています。

  1. 日常生活の練習
  2. 感覚教育
  3. 言語教育
  4. 算数教育
  5. 文化教育
日常生活の練習

『日常生活の練習』の目的は、運動の完成です。幼児は大人のすることを何でも真似したがります。その「模倣期」と「運動の敏感期」とを利用して、自分の身体を意志どおりにコントロールする能力を身につける場が『日常生活の練習』です。「子どもはできないのではなく、やり方を知らないのだ」という考え方に立って、正確にやり方を伝えます。自分のことが自分でできるようになった子どもは、「自立」に向けて大きな一歩を踏み出します。具体的には、歩く、はさみで切る、コップに水を注ぐ、ボタンをかける、室内を掃く、洗濯をするなど、実生活と密接に関連する多くの活動があります。

感覚教育

人間は外界の情報を感覚器官によって収集します。3歳過ぎの子どもは、感覚器官がほぼ発達を遂げ、さまざまな感覚刺激に対して敏感です。小さな物を見つけたり、かすかな音を聞きつけたり、微妙な匂いや味を区別したりします。その「感覚の敏感期」を利用して、意識して感覚器官を使って練習するのが『感覚教育』です。練習によって感覚器官が洗練されれば、外界からより精確でバラエティに豊んだ情報を収集できるようになり、知性や情緒が発達します。また、感覚教具には、「対にする」「段階づける」「分類する」という、三つの操作が位置づけられています。このことによって、まさに脳の前頭葉が働き始め、知性が芽生え始めた時期の子どもは「ものを観察する能力」と「ものを考える方法」とを身につけることになります。モンテッソーリ教育では、『感覚教育』は『言語・算数・文化教育』という知的教育分野の基礎となる大切な役割を担っています。

言語教育

子どもは最初からことばを獲得して誕生してくるわけではありません。子どもは「言語の敏感期」の時期に自分の周囲で話されていることばを母語として獲得します。ことばの量や質は環境に左右されます。モンテッソーリ教育の『言語教育』は、子どものことばの発達段階に合わせてきめ細やかなステップを踏んで、語彙を豊かにすることから始まり、最終的には文法にまで至ります。文字を書くこともまた、『日常生活の練習』や『感覚教育』で養った手や腕をコントロールする力を利用しながら、身につくような工夫がされています。したがって子どもは、文字に興味をもった時期に知らず知らずのうちに文字を書いたり読めるようになるのです。

算数教育

車のナンバープレートの数字や物の大きさ、量に興味を示す「数の敏感期」が幼児期には表れます。そのときに数に関する教具の環境があれば、子どもは容易に吸収しますが、モンテッソーリ教育の算数教具はただ単に数を唱えるものではなく、数量が具体物で表され、手で扱えるようになっています。そしてそれらは、感覚教具からの継続として準備されています。既知から未知へ、子どもはスムーズに導かれます。四則演算でいえば、実際に1000個のビーズからなる重い立方体から、色と数字で数量を表す切手という半抽象の段階を経て、暗算という完全な抽象の段階へと無理なく至ります。

文化教育

『文化教育』は、「ことば」と「数」以外の子どもの興味を対象とした幅広い分野です。歴史、地理、地学、動・植物など、小学校の社会科、理科に相当する分野を扱います。子どもの知りたいという要求に応え、興味の種を可能な限り多く蒔くことを目的とします。ほかの4分野が統合された総合学習としても考えられます。

モンテッソーリ教育を受けてきた有名人

自ら考え、新しい発想や新しいものを生み出した著名人たちが、幼少期にモンテッソーリ教育を受けていたことが知られるようになり、モンテッソーリ教育に注目が集まったのですが、実際にモンテッソーリ教育を受けてきた有名人は誰がいるのでしょうか?

特に日本で注目されるきっかけになったのは、将棋棋士の藤井聡太さん。史上最年少(14歳2か月)でプロ入りを果たし、そのまま公式戦最多連勝記録を樹立。以降さまざまな記録を更新している彼について知らない人はいないことでしょう。 彼は、幼稚園でモンテッソーリ教育を受けており、色のついた画用紙を編んで作る「ハートバッグ」を毎日作り上げ、100個も家に持ち帰ったんだとか。モンテッソーリ教育で育んだ忍耐力や集中力が、将棋においても発揮されているといわれています。

また、最近注目の「GAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)」の創始者たちもモンテッソーリ教育を受けて育ったことで話題となりました。特に有名なのがGoogleの共同創業者、ラリー・ペイジ氏とセルゲイ・ブリン氏で、彼らは自身の成功を「モンテッソーリ教育の賜物」と公言しているだけでなく、その学びを会社経営にも生かしていると言われています。

その他にも

マイクロソフトの創始者ビル・ゲイツは幼いころからずっとプログラミングに対して興味をもっていて大学卒業後はマイクロソフトを立ちあげましたが、これもモンテッソーリ教育により身に着いた自発性のおかげだと彼は語っています。

アメリカ前大統領バラク・オバマは彼自身もモンテッソーリ教育を過去に受けており、また実際にモンテッソーリ教育施設を訪問したこともあります。モンテッソーリ教育施設訪問後のスピーチでは、質の高い幼児教育が明るい未来を作る上で重要だと述べています。

タイトルとURLをコピーしました